北海道産大豆をつかったテンペつくり
流通システム研究チーム
<テンペとは?>
テンペはインドネシア発祥の大豆発酵食品で、その起源は少なくとも今から400年前と言われています。同じ大豆の発酵食品である納豆と異なる点は、テンペ菌とよばれる糸状菌(Rhizopus
oligosporus)で発酵させるところです。テンペは大豆をそのまま原料として使っているので、大豆の持つ優れた栄養成分が失われずにそのまま含まれており、さらにテンペ菌の増殖にともなって抗酸化酵素やγ-アミノ酪酸などの機能性成分が生成されています。テンペには、納豆のような特有の匂いや粘りがまったくないことから、各種料理の素材として幅広く適用可能です。
<当研究チームの取り組み>
北海道では、収穫された畑作物を加工する際に様々な副産物が発生しています。これらの副産物は乳酸菌で発酵させて家畜用の飼料として利用される場合が多いのですが、うまく発酵が進まないものもあります。当研究チームでは、このような副産物を乳酸生成糸状菌(Rhizopus oryzae)で発酵させる方法を考案し、科学技術振興調整費の委託を受け、リゾプス菌の分子遺伝学、生理・生化学から飼料・食品素材としての利用まで多岐に渡る研究を進めています。実は、これらの研究で使用しているRhizopus
oryzaeは、テンペ菌Rhizopus oligosporusと分類学的に近縁で、兄弟関係に相当するのです。そこで、これまでにRhizopus
oryzaeに関して得られた知見をもとに、新たなテンペ菌の開発を試みています。
北海道産大豆 (ユキホマレ) テンペ




<テンペの作り方>
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水2リットル(注1)に食酢(注2)100mlを入れた酢酸液に、丸大豆500gを一晩漬けます。
A
浸漬した豆を手で擦り、皮を剥ぎます。このとき大豆は二つに割れます。水を注ぐと皮が浮くので、流すとすばやく取り除くことができます。
B
上記の酢酸液をあらたにつくり、皮を剥いた大豆を入れます(注3)。
C
鍋に入れ、蓋を開けたまま沸騰させ、30〜45分間煮ます。
D
煮豆をザルに取り出して、冷やしながら煮豆表面を体温くらいまで乾かします(1時間〜)このとき、大豆は約1kgになっています。
E
ビニル袋に移し、煮豆1kg当たり、テンペ菌2g(注4)を添加してよく混ぜます。
F
チャック付ポリ袋(注5)に約150g入れ、平たく伸ばします。このポリ袋はタオルなどの厚めの布の上に置き、爪楊枝などで1cm間隔くらいに小さな穴を全面に開けておきます。
G
37℃(〜30℃)、恒温器(注6)で20〜24時間発酵させます。菌糸が見え始めた発熱して生育が早くなるので充分観察します。発酵させすぎると胞子が着床したり、味・香りが劣化するので注意が必要です。発酵を停止させるには、冷却します。
H
冷蔵して一日以内に使用しない場合には冷凍保存します。これで数ヶ月は保存可能ですが、密封後、80℃、20分程度お湯に漬けると品質はさらに安定します。
テンペ菌接種 浸漬 皮むき 蒸煮








穴開きポリ袋 袋詰 発酵開始 発酵終了

ビニル袋から取り出し、真中から切断したテンペ
表面、内部ともテンペ菌の菌糸で覆われています。
注1)ペットボトルなどでも計量可能。
注2)市販の穀物酢
注3)脱皮大豆を使用するときには、酢酸水に数時間漬ける。
注4)テンペ菌は秋田今野商店から入手可能。
●秋田今野商店 50g入り 5280円
電話 0187-75-1250 FAX 0187-75-1255
注5) ここでは140mm×100mm×0.04mmを使用。100円ショップなどで入手可能。
注6)クーラーボックスに電気あんかを入れたもの(下図)、あるいはコタツでも代用可能。菌糸が表面に見えてくると発熱するので、温度の上がり過ぎに注意。菌の生育に応じて、温度と発酵時間は調節。
<テンペの簡単な食べ方>
インドネシアでテンペを生で食べることはほとんどありません。0.5〜1cmにスライスして油で揚げ、好みに応じて調味料をつけて食べるのが一番簡単な方法です。スライスせずにそのまま揚げて、ステーキのようにして食べることもできます。その他、和食、洋食、中華など様々な料理の素材として利用可能です。


<さらに詳しく知りたい方へ>
1)書籍
テンペに関する日本で唯一のムック。テンペの効果、調理方法、作り方について解説。全国の書店で入手可能。
「テンペが効く!」 雑誌「健康」特別編集 本体価格:\750(税別) ISBN:4-07-240431-4
2)リンク
テンペ全般:http://www.tempeh.info
なお、本稿の作成に当たり多大なご助言をいただいた明治大学・加藤英八郎先生に感謝いたします。